当店でたびたび著作や映画について取り上げている坂上香さんの著作、『ジャーニー・オブ・ホープ』の読書会を、もう一度ひらきます。8月にも開催したこの読書会ですが、読書会が終わる前にもう、「またやりましょう」という声があがりました。企画してくださったのは、当店でいくつものイベントをひらいたり参加してくださっている、まなさんと宇戸谷航輔さんのお二人です。
今回も、ゆっくりと内容について話し合える会にしたい、ということで参加人数をグッと絞っての開催となります。加害者・被害者の対立、死刑制度の是非などについて関心のある方はもちろん、なんとなく気になったから、という方からのお申し込みも、お待ちしております。
以下、まなさんと宇戸谷さんのメッセージもご覧ください。
前回の読書会では1時間半、濃密な時間をすごしたと感じると同時に「まだまだこの本から話せることがある」という感覚に襲われました。会の中、感想を話している最中にはすでに、次回もやりたいねという話題があがっていたほどです。それほどまでに『ジャーニーオブホープ』を読んで感じることは人によっても、読むタイミングによっても変わりそうだし、たくさん、多様にあるのだろうなと思います。
この文章で私は何を書こうかと思案しながら、読了後自分がどれだけこの本とともに生きてこられたかを考えると、何もできなかったな・考えられなかったなと思ってしまいます。原爆資料館に指揮者、バーンスタインが記したとされる言葉「Too many words already –Not enough action !(すでに言葉だけが多すぎる—行動が不足しているのに!)」を反芻します。
その行動は、日常での誰か・何かとのかかわりのなかにも編んでいけるものだと、前回の読書会を思い出しながら感じています。そうした主体的な感覚が私に乏しいことに引け目を感じているような気がします。同じ著作で読書会を何度も開くことで、暮らしの中でもう少し、この本とともにある感覚を持ち続けることができるかもしれないなと思っています。
初のご参加も継続でのご参加もうれしいです。ぜひ、この場をともにすごせたらと思います。
〜まな〜
ハンセン病の歴史、特にハンセン病患者の強制隔離の歴史を、私はようやく知ろうとし始めたところです。
発症し隔離された人、疑いだけで隔離された人、その家族、隔離施設の職員、支援者、聞き書きを続ける人……。様々な立場の人が残した言葉や生き方に探ることで、なにか、なにかを私は、抱えていけるような気がしています。
しかし、ハンセン病患者の歴史の中でもその権利運動を追うときに、どうしても気になってしまう言葉がありました。
「らいは犯罪者ではない」
これは、ハンセン病患者が強制隔離、収容されていたことを受けてよくなされていた主張です(文言に異同あり)
ハンセン病は犯罪ではない。それは全くもってその通りです。しかしこの主張には「犯罪者は収容されているものだ」という考えが自明視されているように思えます。私にはそれを見逃せなかった。
犯罪をしてしまった人は、収容されてしかるべきなのでしょうか。それが重犯罪なのであれは、命をもって償うべきなのでしょうか。
私がこんなことを言えるのは、自分が法律上での犯罪者でも犯罪被害者でもないからかもしれません。いやきっとそうなのでしょう。
それでもなお、私は罪を犯した者は罰せられて当然だ、という思想には反旗を翻していたい。
そんな私にとって坂上香の本を読み、彼女が提示するものを考えることは、罰する以外のなにかを、罪を犯した人と相対する方法を、私自身の加害と被害を、何度でも模索することです。
相似形で暗中模索をする方がいれば、心強いことこの上ありません。よろしくお願いします。
〜宇戸谷航輔〜
読書会『ジャーニー・オブ・ホープ』
日時:10月25日(土) 17〜18時半(90分)
参加費:2,000円
定員:3名
課題本:坂上香『ジャーニー・オブ・ホープ』(岩波現代文庫)
申し込み・お問い合わせ:hon.iriguchi@gmail.com




宇戸谷 航輔 (うとたに こうすけ)
兵庫で生まれ育ち、大学は尾道へ、その後色々あって奈良に流れ着いた人。本を読んで暮らしている。

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