サンクチュアリの入り口(2025年5月4日開催)


 「ほんの入り口」で特に力を入れて紹介しているシリーズ「あいだで考える」の中の一冊に、坂上香『根っからの悪人っているの?』(創元社)という本があります。ドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』の監督である坂上香さんがファシリテーターをした「被害・加害をめぐる対話」は、元加害者、被害者、10代の若者が同じ場に集まって語り合うという非常に困難かつ重要な試みであり、読んでいる間も、読み終えてからも、しばしば本から顔を上げては呆然としてあれこれ考えなければならない奥深く豊かな一冊になっています。

 この本の巻末には、「被害と加害のあいだをもっと考えるための作品案内」が載っていて、テーマ別にまとめられた本のリストの他におすすめの映画や活動も紹介されています。その中にサンクチュアリづくりの<ビギナー編>として、この本を使った読書会が提案されているのですが、やりたいやりたいと思いながら随分と時間が経ってしまいました。ようやく昨年5月、「読書会の企画会議」といった位置付けで小さな会をひらきました。
 けれども、それっきり。この本を使った読書会をひらかないまま、まもなく1年が過ぎようとしております。サンクチュアリの入り口を、小さく、たくさんひらくことで、誰かがその先へ進んでくれるかもしれない、そう言っていたのに。運転資金が枯渇して入り口を閉める日が来るというシナリオも、いよいよ現実味を増してきております。あぶない、あぶない。せめて、ほんの入り口だけでも。

 先日、大阪で映画『プリズン・サークル』を映画館で観る機会に恵まれました。改めて、私自身の生活しているこの社会にもサンクチュアリがなくてはならないのではないかと痛感いたしました。前回のイベントから1年。いいタイミングで、背中を押してもらえました。

 今回は、いちおう、読書会という形をとろうかと思います。でも、『根っからの悪人っているの?』を読んでいなくて大丈夫です。ここまでの文章の中にちょっとでも気になるキーワードがあったなら、「サンクチュアリづくり」の助っ人として、知恵を貸してくださいませんか。

 サンクチュアリ:「一般的には『聖域』や『避難場所』を意味するが、TCでは『心から安全だと感じられて、安心して本音が話せる場所』を指す」(坂上香『根っからの悪人っているの?』(創元社)p.58)

  サンクチュアリの入り口(読書会『根っからの悪人っているの?』)
  5月4日(日)10〜12時
  参加費:1,000円
  持ち物:持っていれば、坂上香『根っからの悪人っているの?』(創元社)無くてもOK。
  お問い合わせ&お申し込み:hon.iriguchi@gmail.com


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