一野篤さんとの出会いは、今年の5月。当店で開催した「対話の入り口 演じる」のイベントにご参加くださったのでした。2日連続のイベント、お申し込み時は初日のみだったのですが、楽しんでいただけたからでしょうか!翌日のプログラミングにもご参加くださいました。イベント後の懇親会でお話した中で「偶然の入り口」みたいなイベントができたらいいですねぇ、という話が出たんじゃなかったですか、どうでしたか、一野さん。
その時点ではまだ「鋭意準備中!」だった個展、今年の6・7月に東京は飯田橋のアートギャラリー “Roll”で開催した個展『右手で右手の甲に線を引く』を踏まえて、制作の過程や展示の前後で深まった「偶然」についての思考をさらに転がしていただきます。今回はなんと、東京からRoll のキュレーター藤木洋介さんにもお越しいただけることになりまして、「偶然」をキーワードにあれこれお話しをうかがえたらと思っております。お楽しみに!
また、トークイベントに合わせて一野さんに作品展示もお願いできることになりました。10月14日(月祝)〜11月11日(月)まで、Rollに展示した作品の中から、「偶然」をキーワードに選んだものを数点、展示いただきます。こちらも合わせてお楽しみください。
一野篤さんからメッセージ
はじめまして、一野篤と申します。
京都と東京の二拠点で、主にグラフィックを中心にデザイナーとして活動する傍ら、個人的な作品づくりを行っています。
今年の6、7月に、東京・飯田橋のRollで個展『右手で右手の甲に線を引く』を開催したのですが、その準備期間である約一年のうちに、自分の中に制作の方法論として少しずつ意識にのぼりはじめたキーワードがあります。それが「偶然」と「ルール」でした。
制作のために頭や手を動かすことで自然と浮かび上がってきたこの言葉の中でも、今回はとくに「偶然」について、もう少し深く考え、参加者の皆さんと共有する時間を作りたいと思っています。どうやら「偶然」は、制作論を超えて、この世界の不思議を捉える眼差しのひとつでもあるようです。
当日は東京から、Rollのキュレーター・藤木洋介さんにもお越しいただき、店主の服部さんも交えたトーク形式を挟みながらの進行となる予定です。
前半はプロジェクターを使って、まず本イベントを開くきっかけとなったRollでの個展の報告を行い、その後、20世紀初頭のダダやシュルレアリスムを中心に、主に美術作品における「偶然」について考えてみます。
休憩を挟んだ後半は、参加者の皆さんを交えて、偶然にまつわるエピソードの共有や、偶然とは何かについて話ができればと思います。
美術史や偶然の専門家ではないので、あくまで制作者として考えたことや「偶然」の面白さを皆で味わうことが目的です。「ほんの入り口」でのイベントにふさわしく、まずは偶然の「入り口」に立って、そこから見える景色を眺めてみたいと思います。
ぜひお気軽にご参加ください。
【参加者の方へのお願い】
イベント当日は、できれば「偶然」にまつわるエピソードを一つ用意してお越しください。
ご自身の経験が望ましいですが、誰かに聞いた話や、本で読んだことでも構いません。
必ずしも特別な出来事ではなく、ささやかな日常の光景でもOKです。
エピソードの用意がなくてもご参加いただけます
『偶然の入り口』
日時 :10月14日(月祝)16時半〜19時
参加費:2,000円
定員:15名ほど
お申し込み・お問い合わせ:hon.iriguchi@gmail.com
一野 篤(いちの・あつし)
デザイナー。京都と東京を拠点に、グラフィックを中心とするクライアントワークや、偶然とルールに基づく制作を行なっている。その他、演劇ユニット“ウンゲツィーファ”の劇生。詩とそれを媒体とした物をつくるユニット“POETNIK”、デザイン・プロジェクト“rabbit hole”など、活動は多岐にわたる。
藤木 洋介(ふじき・ようすけ)
キュレーター。1978年生まれ、広島県出身。〈Yosuke Fujiki Van Gogh Co., Ltd.〉代表。キュレーターとして国内外の公立美術館やギャラリー等で、様々なジャンルのアーティストの展覧会を企画。2021年7月に自身が主宰するアートギャラリー “Roll”(東京・飯田橋)を立ち上げ、年間を通して実力のあるアーティストの展覧会を開催している。
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