家から5分の入り口(2024年9月22日開催)


 お友だちになりたい。それが本音である。

 スズキナオさんデビュー作の『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』を知った時には、すでに「スズキナオ」という名前は知っていたような気もする。どこで知ったのかは、忘れてしまった。でも、もしかしたらその時点ではまだスズキナオさんは女性だと思っていたかもしれない。どこかの時点で男性だと気がついて、びっくりした記憶がある。
 私も20代の頃には深夜高速バスもけっこう使ったことがあったのだが、あれは30代になってからだったろうか、一度大阪から東京まで乗って本当に体が痛くなって、「深夜高速バス、俺にはもう無理だよ!」とひどく落ち込んだことがあった。それなのに、スズキナオさんは100回も乗って・・・。ほぼ同い年なのに、すごい・・・。そうして、無類のお酒飲みだ。私はお酒の匂いを嗅いだだけでくるぶしまでほんのり赤くなるくらいの弱酒体質なので、とても羨ましい。文章もとても面白い。もちろん羨ましい。そうして、なぜなのか、いつしか私は「スズキナオさんとお友だちになりたい」という願望を抱くようになっていた。(ちなみにその時、セットでお友だちになりたいと思ったのが友田とんさんと世田谷ピンポンズさんだった。お二人とはお会いしたことがあるのに、スズキナオさんは、後ろ姿すら一度も拝見したことがない。写真だけだ)

 このたび、太田出版から刊行される『家から5分の旅館に泊まる』の情報を得て、すぐさま版元さんに「イベントをやらせてもらえませんか!」とメールをお送りした。担当者Sさんのご尽力もあって、度重なるスケジュール調整をへて今回の開催にたどり着きました。この記事を書いている時点では、まだ、直接やりとりをしていない。このままイベント当日までお会いすることなく、「は、はじめまして」とぎこちなくトークに突入する可能性も大いにある。ものすごく面白そうじゃないですか!(私だけ?)面白そうと言えば、神戸の1003 さんであるイベント、「スズキナオ×友田とんトークイベント「どうやって書いてるんですか?」の方が断然、面白そうである。スズキナオさんだけでなく、友田とんさんまでも出演するじゃないか!どうなってんだよ!9月6日(金)開催です。みんな、行こう。私の代わりに誰か見てきて、感想を聞かせてください。
 当店では、そこまで面白そうな趣向は8月11日時点でもまだ決まっておりません。直接、お話もできていない状況なので、なかなかそういう事前にどうこうといったイベントは企てにくいかもしれません。そういえば、チェアリングの話も聞きたい。もちろん、家から5分の旅館に泊まる話も聞きたい。店から5分のゲストハウスに泊まってみたい気持ちが、実は、ほんの入り口を開いた当初からあった。でも、なかなか決行できない。スズキナオさんは、決行したのだろうか。決行したのだろう。すごい。絶対に、面白い話が聞けるはずだ。私が、スズキナオさんと打ち解けることに成功したのなら・・・。
 お友だちになりたい。それが本音である。

  家から5分の入り口(『家から5分の旅館に泊まる』刊行記念トークイベント)
  日時:9月22日(日)17時〜19時
  参加費:2,000円
  お問い合わせ・お申し込み:hon.iriguchi@gmail.com

スズキナオ (すずきなお)

1979年東京生まれ、大阪在住のフリーライター。WEBサイト『デイリーポータルZ』を中心に執筆中。
著書に『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』、『遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ』(以上、スタンド・ブックス)、『思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれる』(新潮社)、『「それから」の大阪』(集英社新書)、『酒ともやしと横になる私』(シカク出版)、『関西酒場のろのろ日記』(ele-king books)、パリッコとの共著に『ご自由にお持ちくださいを見つけるまで家に帰れない一日』、『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』(以上、スタンド・ブックス)、『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(elekingbooks)、『”よむ“お酒』(イースト・プレス)、『酒を見つめる対話集 酒の穴』、『酩酊対話集 酒の穴エクストラプレーン』(以上、シカク出版)がある。


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