「そのうち、あの人が来てくれる」と、タテヨコ企画の横田氏から聞いたのはいつだったか。あの人は、着物を着てくることもあるかもしれない。そう思って、着物を着たお客さんの顔をそっとうかがったこともありました。別の方でした。あの人、こと明神慈さんがお店に現れたのは、4月のある日のこと。着物姿ではありませんでした。このチャンス、逃すまじ!と熱心に話し込んだ内容は、どんなことだったかもう忘れてしまいました。「いつか演劇ワークショップなどを」みたいな話にも及んだのでしたか。
今回は、風のように入り口に現れた明神さんをお迎えして、「セリフの入り口」をひらきます。戯曲(演劇の上演台本)を手にとったことはありますか?戯曲は、セリフとト書きで構成されています。セリフは登場人物が発する言葉、ト書きは、登場人物の動きを指定した部分です。
<例>
女 「‥‥ごめんなさい。」
女、ピンポン玉を投げるのをやめる。
男、女を見ている。
前半は、明神さんと服部が二人芝居『ピン・ポン』を音読します。参加者の皆さんはそれを好きな体勢で聴き、感想をシェアします。後半は、二人組になって惹かれたシーンを音読します。演じる必要はありません。
明神さんの戯曲はセリフが短く、余白がたくさんあります。白い紙に乗っかった黒い文字を、あなたの声を通して響かせて遊びましょう。
『ピン・ポン』
眠れない男と眠りっぱなしの女との
いつまでたっても終わらないラリー戦。
(第8回劇作家協会新人戯曲賞優秀賞)
★なるべく多くの方に体験していただきたく、日程を2日間ご用意しました。
★内容はどちらも同じですが、2日間とも参加していただくことも可能です。
『セリフの入り口 〜 言葉で遊ぼう』
①7月20日(土)18時半〜20時
②7月29日(月)18時半〜20時
参加費:2,000円(一般)、1,500円(学生)
お問い合わせ・お申し込み:hon.iriguchi@gmail.com
参加したい日程(①、②、両日とも、など)を明記の上、お申し込みください。

明神 慈 (みょうじん やす)
劇作家・演出家・ポかリン記憶舎 舎長
高知県生まれ。1997年より、ポかリン記憶舎で東京を拠点に公演活動開始。 詩的言語で俳優の動きや声に余韻が残る濃密な時空づくりで、観客を覚醒空間へと誘う。 海外公演や他団体への執筆、演出も多数。2022年春、奈良に移住。


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