八方美人である。なるべく、人に気に入られたいので、異論を提示するのに抵抗がある。異論を提示しなければ人に気に入られるのか、と問われれば、そんなこともなさそうな気もする。だから、「異論を提示しないのは、人に気に入られたいからだ」というまとめ方はちょっと乱暴すぎたかもしれない。すみません。でも、少なくとも波風を立てたくない、みたいな発想は潜んでいる気がする。
今回のイベントのスタートは、ここにあった。「異論の練習を、したい」暮らしていく中で、異論を抱かずにいることはほぼ不可能だ。今夜、何を食べたいか。休みの日にどこに行きたいか(どこにも行きたくなかったり)。「話題のあの映画、どう思ったか」「ガザ空爆について、何かできることはないのか」心に浮かぶ「異論」を無いことにしたまま生活していると、知らず知らずのうちに魂が疲弊していくような気がする。健康的に異論を表明できるようにありたい。そういえば、大学のゼミ風な授業の中で、上笹先生が毎週ニコニコ笑いながら「異論、反論、オブジェクショ〜ン、どうですか、皆さん」みたいに言っていたのをふと思い出した。果たして私は当時、きちんと異論を表明できていたであろうか。あの頃の沈黙のうちに、20年後の八方美人は胎動していたのではなかったか。
映画やら本やら音楽やら、「コレはちょっといただけない」とか「あんまり好きじゃないんだよね」などちょっとネガティブな感想も、安心して吐露できる場があれば言えるかもしれない。まずは練習、素材は「本」に限定して、「ここ、ちょっとよくわからなくて」とか、どんなささやかなネガティブ意見でもよし、いまいちノリきれなかった本をご紹介いただきまして、それを材料に、みんなでおしゃべりしたいと思います。「私はそれ、面白かったですよ」という「反論」は、むしろ大歓迎。自分の「ネガティブ」を覆してもらえる可能性にも期待しております。(やっぱりネガティブそのものへのアレルギー反応が感じられるなぁ)
ネガティブな読書会 〜異論の練習
6月29日(土)18〜20時
参加費:1,000円
持ち物:ネガティブな意見を言う素材としての本、1冊。
お問い合わせ&お申し込み:hon.iriguchi@gmail.com
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