なんのタイミングだったか、「本屋じゃなくて、”入り口屋” ですね」なんて口にした、いや、心の中で唱えたのだったかな。本が好きだし、本屋も好きだし、だからそういう「生業」を始めたはず、と説明すれば分かりやすいのだけれど、なんだか、お客さんとお話ししたりイベントを開催しているうちに、「入り口」を作ることに面白さを感じつつあるな、と思い始めた。もちろん、「本」は入り口として頼もしい味方であることは間違いないのだけれど、なんでもかんでも「本」と絡めたいか、と問われたならば、今は、そこまでこだわっていないです、と答えるかもしれない。こないだやった「作文の入り口」というイベントも、最初は「作文の書き方」の本で読書会みたいにしようかと思っていたのに、結局、文章を書いたり読んだりするだけを楽しむ会になった。とても楽しかった。
先日、装丁家の矢萩多聞さんが訪ねてきてくれたときも、何か一緒にイベントをしましょう、とおしゃべりしながら「ぜんぜん、本と関係ないのしか出てこないなー」なんて笑っていたけど、「入り口屋」だから問題ない。ふだんは訪ねてきてくださるお客さんが少ないというのもあるんだけど、「入り口のイベント」を開いて集まってくれたお客さんと言葉を交わしていると、とても嬉しい気持ちになる。イベントが終わって、皆さん、それぞれの日常に帰っていくのだけれど、「ほんの入り口」で見つけた入り口のその先が日常生活の中でもちょっとした”味わい”になっていたらもっと嬉しい。
さっき、いくつか考えた入り口をご紹介します。面白そう、と思ってくれたら、コメントでもメールでも、店頭でお声がけくださっても、とても喜びます。そう遠くない日程で、実現させようと思っています。その時は、どうぞ、奮ってお申し込みくださいませ。「こんな入り口を作って欲しい」というリクエストも、お待ちしております。
「ぬり絵の入り口」
・色鉛筆、ほか、画材をいくつかご用意します。
・ぬり絵もご用意します。
・あとは、黙々とぬるだけ。
「歌集の入り口」
・好きな「歌集」を一冊、紹介する。
・一冊の本としての「歌集」の魅力に注目して紹介する。
・その中のお気に入りの「一首」を音読する。
「筆マメの入り口」
・筆マメ店主の筆マメ指南。
・ブックガイド「往復書簡」
・ハガキを書いてみる(ポストカード持参、もしくは購入)
・オリジナルスタンプあります。
「平凡社の入り口」
・自宅にある好きな平凡社の本を持参、紹介する。
・店頭のSTANDARD BOOKS の紹介。
・『本の雑誌』「平凡社特集号」の販売。
・出版社で「串刺し」する楽しみについて。
「贈り物の入り口」
・参加者の贈り物エピソードの披露。
・参加者の「贈り物のコツ」について情報交換。
・本を贈ることについての試行錯誤。
・プレゼントをテーマにした絵本の読み聞かせ。
「チョコレートの入り口」
・チョコレートの食べ比べ。
・チョコレート先生からの、チョコレート講義。
・チョコレートに合う飲み物選手権。
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